ソウルで9月28日、中央地裁に到着し、記者団に話す韓国ロッテグループの辛東彬(日本名・重光昭夫)会長=AP
韓国ロッテグループが秘密の政治工作用資金を不正に捻出したとされる疑惑で、ソウル中央地方検察庁は19日、創業者の辛格浩(シンギョクホ)氏(日本名・重光武雄)や長男の辛東主(シンドンジュ)氏(同・重光宏之)、次男で同グループ会長の辛東彬(シンドンビン)氏(同・重光昭夫)らを在宅起訴したとする捜査結果を発表した。
同地検によれば、辛格浩氏はグループ内企業の株式を不正に譲渡したなどとして横領や脱税などの罪に、辛東主氏は実態のない役職で不正な報酬を受け取ったとして横領罪に、辛東彬氏はグループ内企業間の不正取引などによる横領や背任の罪に問われ、それぞれ裁判に臨むことになる。
同地検は創業家の5人を含む同グループ関係者22人と2法人を起訴し、うち辛格浩氏の長女の辛英子(シンヨンジャ)氏ら6人を逮捕・起訴。犯罪に該当する金額は3755億ウォン(約350億円)に達したとし、大企業の私物化が明らかになったと主張した。(ソウル=牧野愛博)