環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案をめぐって山本有二農林水産相が「強行採決」に言及した問題で、野党の民進、共産、社民、自由の4党の国会対策委員長は20日午前、国会内で会談し、山本農水相の辞任を要求することで一致した。与党と日本維新の会が決めた24日の地方公聴会開催について、撤回を求めることも確認した。
自民、目立つ「おごり」 農水相の強行採決発言が波紋
また、民進、共産、社民の野党3党は20日午前に予定されていた衆院総務委員会の審議を拒否し、開会は見送られた。民進党の小川淳也・筆頭理事は記者団に対し、「国会は総務委員会の現場だけではなく、全体として与野党間の信頼の中で動いている。いまの環境では静かな審議に臨める環境ではない」と述べた。
山本農水相は18日夜、TPP承認案について「強行採決するかどうかは(衆院議院運営委員長の)佐藤勉さんが決める」と発言。山本氏は売買同時入札(SBS)制度による安い輸入米の流通問題で追及を受けていた立場でもあり、野党側は一斉に反発している。
公明党の山口那津男代表は20日午前の中央幹事会で、「山本農水大臣の配慮を欠いた発言によって委員会の進行が妨げられているということは誠に遺憾なこと」と懸念を示し、「今後二度とこうした軽率な発言がないようにしていただきたい」と述べた。