雪が降る増上寺と赤羽橋を描いた作品=オランダ・ライデン国立民族学博物館所蔵
江戸時代にドイツ人医師・シーボルト(1796~1866)が日本から持ち帰り、作者がわからなかった絵画6点について、所蔵するオランダの博物館の研究者が、浮世絵師の葛飾北斎(1760~1849)の作品だと22日に発表した。目録に「北斎が西洋画の技法で描いた」とのシーボルトの記述があったという。
オランダのライデン国立民族学博物館のシニア研究員、マティ・フォラーさん(67)が、長崎市であった国際会議で発表した。6点のうち5点は和紙に描かれ、博物館が現物を所蔵。雪がしんしんと降り積もる増上寺や、江戸城、富士山を望む日本橋など江戸の情景が水彩で描かれている。あとの1点は石版画。
作者がわかっていなかったが、フォラーさんが、シーボルトの子孫が所蔵する目録を2014年に確認したところ「北斎が西洋画の技法で描いた」とシーボルト自身による記載があった。フォラーさんは「西洋人が描いたものと思っていたので驚いた」と話す。
フォラーさんによると、日本画…