四回表広島2死一塁、エルドレッドの敵失で生還した新井を迎える緒方監督ら=白井伸洋撮影
今年1月、広島を長く支えた名スカウトが亡くなった。村上(旧姓・宮川)孝雄さん(享年79)。現役時代は広島の代打の切り札として活躍し、1975年から主に九州地区スカウトとして北別府、津田(故人)、前田智らカープの軸となる名選手を多く発掘してきた。
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佐賀・鳥栖高時代は無名だった緒方監督も村上さんに見いだされ、86年秋のドラフト3位で入団。その前年には高(こう)ヘッドコーチ(福岡・東筑高)を2位で獲得している。
村上さんは指名した選手たちを「息子」と呼び、毎オフ、北九州市の自宅に招いていた。父親のような存在だった村上さんを中心に、息子たちの絆が強まったと高コーチは言う。
1月、村上さんの告別式では緒方監督が弔辞を読んだ。今季、きっと村上さんは天国から見守ってくれたのだと思う。息子である緒方・高コンビが、広島に25年ぶりの優勝をもたらした。
日本シリーズの舞台を前に緒方監督は「1年、遅かった……」と言った。「でも、きっと喜んでくれていると思います」(吉村良二)