堀川まちネットの体験乗船会。名古屋の「宮の渡し公園」を出発し、桑名へ向かった=昨年11月、名古屋市熱田区、堀川まちネット提供
江戸時代、東海道のうち唯一の海路だった「七里の渡し」。定期運航復活を目指す動きに黄信号がともっている。NPOや行政による体験乗船会を担ってきた遊覧船が故障したためだ。水深が浅い川を航行できる代わりの遊覧船が近くになく、復旧のめども立っていない。
七里の渡しは宮宿(名古屋市熱田区)と桑名宿(三重県桑名市)の間を結んでいた。「歴史的に途絶えている渡しを再現できないか」と、NPO堀川まちネット(熱田区)は2006年から毎年1、2日、体験乗船会を開いてきた。5年ほど前から増えてきた申し込みでは東海道踏破を目指す中高年が目立つといい、関東、九州など遠方からの参加者もいるという。
この乗船会に使われてきたのが、三重県桑名市の株式会社「くわなリバークルーズ」が約10年前に買った中古遊覧船(定員55人)だ。
桑名の船着き場は揖斐川河口から5キロほど上流にあり、中部運輸局によると、浅いところでは水深が60~70センチ程度。水面から船底までの喫水が深い船は動けなくなる恐れがある。同社の遊覧船は航行できたが、今夏にエンジンが故障した。今も復旧のめどが立っていない。
堀川まちネットは10月30日…