日本原子力研究開発機構は10日、原子力発電所の使用済み核燃料運搬船「開栄丸」の使用を終了することで、船会社の「原燃輸送」と合意したと発表した。
開栄丸は使用済み核燃料の運搬のため、2006年に原子力機構が建造費を負担することを条件に建造された。だが、輸送実績はこれまで4回だけ。15年の政府の行政事業レビューで無駄が指摘されたのを受け、原子力機構を所管する文部科学省が使用を終了する方針を示していた。
当初の契約期間の31年まで使った場合、建造費や維持費などで169億円の負担が生じるとされていた。原子力機構は分割払いの建造費の残りと今年度分の維持費の計29・5億円を支払い使用を終了することで、原燃輸送などと合意した。合意は2月24日で、精算に関する契約を今月8日に結んだ。
今後、電気事業連合会が船の維持費を負担する形で、原燃輸送と使用契約を結ぶ見通しだという。(竹石涼子)