地区予選「中部・東海大会」で優勝した名古屋ビクトリーの選手たち=9月11日、静岡県沼津市、名古屋ビクトリー提供
名古屋市などの障害者でつくる野球チーム「名古屋ビクトリー」が5、6日に兵庫県である障害者野球の全日本選手権大会に出場する。これまでの最高成績は準優勝で、中学3年生から81歳までの約20人のメンバーが一丸となって、初優勝をめざす。
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「捕ったらすぐー(投げろ)」「ナイスバッティング」。名古屋市守山区のグラウンドに名古屋ビクトリーの選手らの声が響く。毎週土曜日の午前、約3時間の練習に汗を流す。9月の地区予選で優勝し、全国への切符をつかんだ。準優勝した1999年の第1回大会から連続出場している。
障害者野球は通常の野球と基本的なルールは同じだが、盗塁やバントが禁止され、走塁が難しい打者は打った直後から代走が認められるなどの独自ルールもある。
チーム発足は92年。野球を通じて自立してもらおうと、代表で名古屋市職員の重信芳成さん(56)らが中心となって、83年に前身の障害者ソフトボールチームを結成したのが始まり。
重信さんは小学1年の時に、事故で左手の全指を失った。みんなと野球をしたかったが、小学校、中学、高校のいずれも、「安全上の理由」で部活への入部を拒まれた。「障害者が野球をやることが珍しい時代だったから」と振り返る。
それだけに、「障害者にも団体…