高尾紳路九段=3日、甲府市、堀英治撮影
第41期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第7局は3日、甲府市の常磐ホテルで2日目が打ち継がれ、午後6時59分、挑戦者の高尾紳路(しんじ)九段(40)が七冠の井山裕太名人(27)に251手までで白番2目半勝ち。高尾九段は4勝3敗でシリーズを制し、10期ぶりに名人に返り咲いた。井山名人は4連覇を逃した。
【タイムライン】第41期囲碁名人戦七番勝負
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「ロクな30代じゃなかった」 高尾紳路・囲碁新名人
4月に前人未到の七冠独占(名人、棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)を達成した井山名人は、半年余り(197日)で六冠に後退。七大タイトル戦のシリーズ連勝記録も10でストップした。
高尾九段は2期目の名人獲得。千葉市出身で、1991年、14歳でプロ入りした。2005年から本因坊3連覇。06年に名人となった。今シリーズは第1局からの3連勝でタイトル奪取に迫ったが、その後3連敗して決着が最終局までもつれていた。
就位式は12月2日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開かれる。(伊藤衆生)
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《高尾・新名人の話》信じられない。奇跡が起きたような気がしています。自分の実力以上のものが出せたが、三つ勝ってから遠かった。ずいぶん長く感じた。運がよかったとしかいいようがない。
《井山名人の話》出だしの3連敗は反省点が多かった。最終局までこられたのはよかったが、力が及ばなかった。もちろん七冠をもう少し続けたい気持ちもあった。いまの実力ではこれが精いっぱいだった。