4手目を打つ井山裕太六冠。右は村川大介八段=大阪市北区の日本棋院関西総本部
第42期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)の井山裕太六冠(28)―村川大介八段(26)戦が28日午前、大阪・梅田の日本棋院関西総本部で始まった。井山六冠が勝てば、8月の最終ラウンドを待たず高尾紳路名人(40)への挑戦が決まる。対局の経過を、現地から随時お伝えする。
【11:45】 3隅で地を稼ぐ井山に対し、村川は右辺から下辺にかけて黒模様を築いて対抗している。その黒の勢力圏内に井山が白34と単騎突入、村川が黒35と頑強に応じた。井山は25分考え、そのまま昼食休憩に入った。
ここまでの消費時間は村川が48分、井山が57分。午後0時半に再開される。
【10:00】 日本棋院関西総本部「無量の間」。対局5分前から、両者は盤を挟んで対局を待った。定刻のチャイムが鳴ると、先手・黒番の村川はノータイムで右上隅星に。対する白番の井山もノータイムで左上隅に打った。持ち時間は各5時間。この日夜までに終局する。
名人挑戦権を9人のトップ棋士が総当たりで争うリーグ戦。昨年12月に開幕し、ここまで井山が6戦全勝で首位を走り、4勝2敗の村川が2位につけている。ほかに2敗の棋士はおらず、挑戦権争いはこの2人に絞られている。井山が今回の対局と8月の最終戦に敗れ、村川が連勝した場合、両者によるプレーオフがある。
井山は昨年春の十段戦でタイトルを奪い、棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段の囲碁七大タイトルを史上初めて独占した。昨秋の名人戦七番勝負で高尾に敗れ、名人位を明け渡し六冠に後退したが、その後、残る6タイトルをすべて防衛。前人未到の七冠復帰に向けて、名人挑戦に照準を絞っている。