違法なわいせつ物を買った人を告発する。そんな偽のはがきの内容を信じ、島根県松江市の50代の会社員男性が150万円をだまし取られる特殊詐欺被害があったと松江署が8日、発表した。男性は告発を免れようと相手の指示に従い、「反省文」も書いて現金と一緒に送っていたという。
署によると、10月16日ごろ、東京の「協会」を名乗る団体から「告発通知」と書かれたはがきが男性宅に届いた。「違法わいせつ物の製造・販売に関与したグループが摘発された。購入者も告発する。改心して反省すれば告訴は取り下げる」などと書かれていた。
通信販売でアダルトビデオを購入したことがあった男性は書かれていた連絡先に電話した。出た男から、「罪を償うためにマレーシアに40日間のボランティアに行ってほしい」「反省文を書いて、チャリティーに150万円払えば告発しない。金は1週間で返す」などと言われたという。
男性は宅配便で東京都内のアパートの1室に反省文と現金150万円を送った。今月になって男から再び電話があり、不審に思った男性が署に被害届を出した。諫山宗明副署長は「告発の形を取ったトラブル解決型の特殊詐欺は以前からあるが、ボランティアや反省文を語る手口は聞いたことがない」と話した。(富岡万葉)