中国の中央銀行、中国人民銀行は15日、市場での取引の目安として毎朝示す人民元レートの基準値を前日より約0・3%元安ドル高となる1ドル=6・8495元に設定した。2008年12月以来、約8年ぶりの元安水準となった。
基準値を引き下げるのは8営業日連続で、人民元はリーマン・ショック直後の水準まで値下がりしたことになる。米大統領選でのトランプ氏の当選を受け、市場では元を売ってドルを買う動きが加速している。15日は、前日に本土外の市場で大幅な元安となったことから、人民銀もこれに合わせて大きく引き下げた。
中国国内では来年のトランプ氏就任後、中国からの輸入品に高率の関税をかけるなど、中国の輸出にとって不利な政策をとるとの見方が出ている。このことがさらなる元安につながるとの懸念も、元売りが続く材料となっている。(北京=斎藤徳彦)