陥没事故前日の7日午後の地下鉄七隈線延伸工事現場。トンネルを掘り進んでいる様子がうかがえる=福岡市博多区、調崇史・福岡市議提供
福岡市のJR博多駅前の地下鉄工事現場で起きた陥没事故。道路は1週間で埋め戻された。固いはずの地盤で何が起きたのか。
特集:博多駅前陥没
事故発生は8日。5車線道路をえぐった巨大な穴(幅約27メートル、長さ約30メートル、深さ約15メートル)は、15日朝には跡形もなくなった。
市は土木業者延べ1千人以上を動員し、24時間態勢で復旧工事を進めた。穴に大量の水がたまっていたため、セメントを混ぜて水中でも固まる特殊な土を使用。ミキサー車約800台分にあたる約3千立方メートルを流し込み、その上に砕石を敷いて埋め戻した。高島宗一郎市長は「オール福岡の部隊が大きな力を発揮した」と強調した。
市によると、掘削していたトンネルの内部には、今回の崩落で大量の土砂や水が流れ込んでいる模様だ。地下に人が入るには事前にボーリング調査などで安全を確認しなければならず、現状では地下の詳しい様子はわからない。
事故を起こした市営地下鉄七隈(ななくま)線の延伸工事(天神南―博多、1・4キロ)は2020年度の完了を予定していたが、中断。市は原因を究明し、崩落現場の安全が確認されるまで再開しないと説明している。
なぜ、突然に崩れ落ちたのか。