愛知県警本部
福岡市博多区で昨年7月、7億5千万円相当の金塊が盗まれ、福岡、愛知両県警が名古屋市内の容疑者ら計10人を窃盗容疑などで逮捕した事件で、愛知県警の複数の警察官が、逮捕される前の容疑者に捜査情報を漏らしていた疑いがあることが2日、捜査関係者への取材でわかった。福岡県警はこの件を愛知県警に伝えた。愛知県警は容疑者らと警察官の関係や情報漏洩(ろうえい)に至った経緯を調べる。
捜査関係者によると、福岡県警が今回の捜査の過程で3月、容疑者らの携帯電話を通信傍受した。その際、名古屋市内の警察署所属の巡査部長ら複数の警察官が容疑者と連絡を取り合っていたことが判明。福岡県警が家宅捜索する情報などを容疑者に伝えていたことがわかった。
福岡県警はその直後、盗まれた金塊の換金に関わったとして千葉県内の男の関係先を、盗品等処分あっせん容疑で家宅捜索した。
福岡、愛知両県警は5月、主犯格とみられる会社役員の野口和樹容疑者(42)=名古屋市千種区池下町2丁目=ら7人を窃盗容疑で、金塊の換金に関わったとして盗品等処分あっせん容疑で都内の男ら3人を逮捕した。
事件は昨年7月8日午前9時半ごろに発生。野口容疑者らは福岡市博多区のビルの入り口で、金塊の売却に訪れた貴金属会社役員ら数人に対し、警察官のふりをして「密輸品なのはわかっているぞ」と迫り、すきを見て金塊160キロや現金130万円入りのケースを盗んだ疑いがある。(菅原普)