東京都三鷹市で2013年に元交際相手の高校3年の女子生徒(当時18)を刺殺したとして、殺人罪などに問われた池永チャールストーマス被告(24)のやり直しの裁判の控訴審が29日、東京高裁で始まった。
この日は被告人質問があり、池永被告は「自分のしたことを生涯背負っていく。ご遺族には申し訳なく思います」などと述べた。遺族の代理人弁護士は女子生徒の母親の意見陳述書を読み上げ「被告の謝罪はパフォーマンスに過ぎない。被告はポルノ画像をばらまき、娘を2回殺した」と訴えた。控訴審は結審し、判決は来年1月24日に言い渡される。
裁判では、被害者の画像をネットに投稿して流出させる「リベンジポルノ行為」を量刑で考慮するかどうかが争点となった。やり直し前の一審・東京地裁立川支部の裁判員裁判は、リベンジポルノ行為を重視して懲役22年の判決を言い渡した。だが、二審の東京高裁判決は「起訴されていない行為について実質的に処罰しており違法」と判断。一審判決を破棄し、審理を差し戻した。検察側は、遺族の告訴を受けて、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(公然陳列)などの罪で追起訴した。
別の裁判員が改めて審理した今年3月の一審は、画像の投稿が「被害者の尊厳を傷つけた」と指摘して、やり直し前と同じ懲役22年の判決を言い渡した。