韓国与党、セヌリ党は1日午前、議員総会を開き、朴槿恵(パククネ)大統領の辞意表明を受けて、来年4月に朴氏が退陣し、来年6月に大統領選を行う日程を党の方針として採択した。野党3党は朴氏の弾劾(だんがい)を進める方針を崩していないが、遅くとも来年6月に大統領選が行われる可能性が高くなった。
特集:朴槿恵大統領、事実上の退陣表明
セヌリ党は、朴氏を巡る疑惑の影響で党勢が停滞している。朴氏の即時辞任を求める世論に配慮する一方、大統領選での候補擁立や党勢を回復する時間を稼ぎたい思惑があるとみられる。韓国の国会議長や首相経験者らが11月27日に朴氏の4月退陣を提案したことも、方針決定に影響した。
一方、野党3党は、9日の国会本会議で朴氏の弾劾を決議したい考えだ。弾劾成立後、180日以内に憲法裁判所が決定すれば朴氏は罷免(ひめん)される。野党側は来年早々にも結論が得られると計算している。
ただ、弾劾決議には与党の一部の賛成が必要だ。セヌリ党の非朴派は与野党の調整が不調に終わった場合、弾劾に賛成するとしているものの、決議が成立するかどうかは不透明だ。
第1野党「共に民主党」の秋美愛(チュミエ)代表は1日午前、セヌリ党非朴派の金武星(キムムソン)・前党代表との会談で、朴氏が遅くとも来年1月末までに辞任すべきだとの考えを示した。
朴氏は11月29日の会見で、2018年2月までの大統領任期短縮を含めた自身の進退を国会の決定に委ねる考えを示していた。(ソウル=牧野愛博)