トランプ次期米大統領が大統領選で勝利した州での「凱旋(がいせん)集会」を計画している。訪れるのは鉄鋼業などの産業が廃れた「ラストベルト(さび付いた地帯)」で、トランプ氏に勝利をもたらす原動力となった地域だ。12月1日にまずオハイオ州を訪れ、支持してくれた白人労働者らに感謝と新政権の意気込みを語るとみられる。
特集:ドナルド・トランプ氏
トランプ氏は、「ラストベルト」に位置する州のうちこれまで30年前後、民主党が勝利を独占してきたウィスコンシン、ペンシルベニア、ミシガンの各州で勝利。オバマ大統領が連勝したアイオワ、オハイオ両州でも、共和党が8年ぶりに勝利をものにした。これらはいわば、民主党のクリントン前国務長官を破る「エンジン」となった州だ。
トランプ氏は選挙戦で、「米国民の労働を奪う」として環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を公約し、雇用回復などを約束してきた。新政権の人事をめぐって陣営の内部対立も表面化するなか、自らの訴えの「原点」を振り返る機会になりそうだ。(ワシントン=佐藤武嗣)