レシピ本の撮影会と試食会で、イランなどで食べられる牛肉とナスの炊き込みご飯「マクルーバ」をつくる本山さん(中央)。集まったのは、クラウドファンディングで出版に協力した出資者らだ=神戸市中央区
世界196カ国、全ての国を旅するのは難しくても、全世界の料理を食べることなら家庭でもできる――。世界中の料理をレストランで提供してきた料理人が、「食」を通して日本とは違う国の暮らしや文化に触れてほしいと、身近な食材で作れる196のレシピを料理本にまとめた。15日に発売予定だ。
本のタイトルは「全196カ国 おうちで作れる世界のレシピ」。神戸市東灘区で多国籍レストラン「世界のごちそう パレルモ」を営んでいた料理人の本山尚義さん(51)がまとめた。
きっかけは2010年に企画した、全世界の料理を店で提供する「世界のごちそうアースマラソン」というイベント。一度に4カ国の料理をメニューに載せ、2週間たったら別の4カ国の料理にする。世界一周を達成するまで、まる2年かかった。
「世界はほんまに広いなぁと、レストランの、狭い厨房(ちゅうぼう)の中で痛感しました」
20歳でフランス料理の世界に入り、「フランス料理が一番や」と信じていた27歳のとき、店の常連客に半ば無理やり連れて行かれたインドで、スパイス料理に衝撃を受けた。以来、33歳で自分の店を開くまで、30カ国を旅したり、日本に住む外国人や大使館員にレシピを聞いたりして、世界中の料理を学んだ。
その中で気づいたのが、料理は…