「阪神が優勝したら無条件で単位くれるらしい」――。ツイッターにうそを書き込まれ、名誉を傷つけられたとして、大阪大大学院教授の男性がつぶやいた男子学生を相手取り、200万円の賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁であり、宮崎朋紀裁判官は訴えを認め、学生に30万円の支払いを命じた。
判決によると、教授は2014年4月、阪大の授業で「阪神タイガースがリーグ優勝した場合は恩赦」「日本シリーズを制覇した場合、全員合格」と書いたスライド画像を掲示。学生は写真に撮り、「無条件で単位くれるらしい」とツイッターに投稿したところ、複数のニュースサイトで紹介される騒動になった。学生は教授に謝罪したが、教授が求めたツイッター上での訂正・謝罪に一定期間応じず訴訟になった。
教授は、授業では「かつては阪神が優勝したら全員合格という教授もいたが現在はない」と発言したと主張。いい加減な授業や単位付与をしていると誤解され、社会的評価が落ちたと訴えた。
判決は、教授が行ったアンケートで60人余りの学生から発言が裏付けられたことや、阪神が優勝しても成績評価は8月にあるため反映できないという事情を指摘。ツイートのような発言はなかったとし、「正しい成績評価をしていないと受け取った者が一定数いる」と名誉毀損(きそん)を認めた。