韓国政府は2日、北朝鮮に対する独自制裁を発表した。核・ミサイルなど大量破壊兵器の開発に中心的な役割を果たしている北朝鮮の黄炳瑞(ファンビョンソ)軍総政治局長や、労働者の国外派遣などに関わる高麗航空を制裁対象に追加。国連安保理の制裁決議に続いて、韓国政府としても北朝鮮に対してさらに圧力をかける姿勢を示した。
制裁の対象になると韓国人との金融取引が禁止され、韓国内の資産が凍結される。ただ、対象として追加された北朝鮮高官らはそもそも韓国との金融取引などはほとんどないとみられ、象徴的な意味合いが強い。
このほか、北朝鮮との輸出入の統制も強化する。北朝鮮で下請け加工された衣類が韓国内に流入しないよう関連企業への指導も強化する。北朝鮮の衣類の下請け加工貿易は「第2の外貨収入源」になっているといい、その収入が核・ミサイル開発に使われないようにする措置だという。(ソウル=東岡徹)