韓国・大邱市で10日、集会に参加して「朴槿恵を拘束しろ」と書いた紙を掲げる人たち=金順姫撮影
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が、ついに国会から弾劾(だんがい)訴追された。朴氏にはこれまでもピンチがあったが、何があっても揺るがない「コンクリート支持層」に守られていると言われてきた。今、その支持層は何を思うのだろう。朴氏の地元の南部・大邱(テグ)を訪ねた。街を歩くと、父の故朴正熙(パクチョンヒ)元大統領の人気を背景にした心酔と清廉さへの信頼は、大きな失望に変わっていた。
特集:朴槿恵大統領の弾劾可決
大邱市中心部では10日夕、朴槿恵氏の大統領辞任を求める集会に7千人(主催者発表)が参加し、ろうそくを持った市民らが「朴槿恵を拘束しろ」「即刻退陣を」と声を上げた。
国会で弾劾訴追案が可決された9日、街には不信の声があふれていた。大邱市の自営業、朱一さん(57)は、スマホで見ていたテレビで賛成234票(国会定数は300)で可決との報に接し、パンパンと2度手をたたいて喜んだ。
自身の立場を「極保守」と呼ぶ。かつては当然のごとく朴氏を応援していた。「朴正熙大統領のことが大好きで、尊敬していた。その娘であり、何事にも原則的であろうとする姿勢を支持していた。与党の危機を救った『選挙の女王』であることも評価していた。こんなことになっていたなんて」
朴槿恵氏との関係を利用して、…