ソウル市中心部には6月から「ながらスマホ」の危険性を訴える道路表示板が登場した=17日、李聖鎮撮影
スマートフォン利用者が国民全体の88・7%にのぼる韓国で、用もないのにスマホを常に手放せない「過依存危険群」と診断された人が利用者全体の16・2%に上った。韓国統計庁が12日に発表した。運転中や歩行中の「ながらスマホ」も目立ち、国を挙げて対策に乗り出している。
同庁によれば、「過依存危険群」は、スマホを見ないと禁断症状が出て、日常生活にも支障をきたす症状を指す。この症状と診断された人は2011年、全体の8・4%だったが、15年には16・2%まで増えた。10代の青少年の場合、約30%に上った。
国民安全庁は11月に発表した資料で、歩行者の3人に1人がスマホを見ており、横断歩道を渡っている時でも4人に1人がスマホを見ているとした。スマホがらみの車両事故が11年の624件から15年は1360件に増えたとも指摘。「ながらスマホ」をやめるよう呼びかける道路標示板の設置や教育の徹底を訴えた。
「ながらスマホ」をやめるよう呼びかける道路表示板は、すでにソウル市が6月から市内5カ所に設置しているが、どの程度の効果が上がったかは、はっきりしていない。(ソウル=牧野愛博)