消費者ローンで銀行の存在感が増している
銀行の消費者ローン貸付残高が急増している。5年間で1・5倍超となり、2015年には消費者金融などの残高を抜いた。多重債務問題で消費者金融の貸出額には制限がつけられたが、銀行は対象外。日本弁護士連合会は過剰な貸し付けへの規制を求め、金融庁は実態調査に乗り出した。
消費者ローンは無担保で使い道を限定せずに借りられる。消費者金融のシェアが高かったが、利用者が複数の業者から借金を重ねる多重債務の問題を受け、改正貸金業法が10年に完全施行された。上限金利は年29・2%から20%へ引き下げられ、年収の3分の1超の貸し出しは原則禁止だ。
このため消費者金融の貸し出しは減った。一方で、「カードローン」と呼ばれる銀行の消費者ローンは増えている。金利は年3~15%ほどで、低金利競争の住宅ローンなどより高い収益が見込める。貸付残高は15年3月末に約4・6兆円と、消費者金融など(約4・5兆円)を抜いた。16年3月末は約5・1兆円と、約4・4兆円の消費者金融などとの差を広げている。
銀行の消費者ローンの顧客は消…