調停成立後、「調停が成立し、ほっとした」と話す父親=20日午後1時17分、大阪市北区
大手英会話学校の講師だった女性(当時22)が自殺したのは長時間の「持ち帰り残業」が原因だとして、大阪府内に住む両親が運営会社アミティー(岡山市)を相手取り、約9千万円の損害賠償を求めた訴訟は20日、大阪地裁で調停が成立した。会社側が謝罪し、解決金として4300万円を支払う内容で合意した。
女性は2011年春に入社し、金沢校に勤務。退社後も自宅で長時間にわたってレッスンの準備などに追われた結果、精神的に追い詰められ、同年6月、自宅マンションから飛び降り亡くなった。
調停条項には、同社が「自宅で相当な時間(仕事の)準備に従事し、心理的負荷を受けて自死に至った」と認めたうえ、女性と両親への謝罪が盛り込まれた。さらに「持ち帰り残業の有無や実態を含め労働時間の管理を適切に行う」と再発防止に努めることも約束。特に新入社員にはこれまで以上に配慮するとした。
父親(66)は会見し、「娘はこんな気持ちで死んでいった、ということを会社に言いたくて訴訟を続けてきた。調停成立でほっとしているが、娘がいなくなった寂しさ、悲しみが改めてじわじわと襲ってくると予感している」と話した。
アミティーの山崎高人社長は「調停成立に至り、ご遺族に感謝している。女性は非常にまじめで熱心に仕事に取り組む方だった。ご冥福をお祈りし、お悔やみ申し上げたい」とコメントした。