認知症や知的障害などで判断能力が十分でない人の代わりに財産管理などを行う成年後見制度の利用促進に向けて、内閣府の有識者委員会は20日、意見書案を大筋で了承した。多発している後見人による横領を防ぐため、預貯金を引き出す際に第三者が関与する仕組みづくりを求めた。
政府は意見書案を参考にして、来年3月に成年後見制度の利用を促進する基本計画を閣議決定する予定。
意見書案では、後見人が預貯金を引き出す際に弁護士や司法書士らが務める「後見監督人」の押印を条件とするといった不正防止策を盛り込むことを求めた。後見人による不正は2015年に521件発生し、被害総額は約29億7千万円にのぼっている。
また、地域の福祉や医療、司法の関係者が連携して、後見人や利用者を支える仕組みづくりなども求めている。(水戸部六美)