最高裁判決を受け会見する翁長雄志沖縄県知事=20日午後7時4分、那覇市の沖縄県庁、小宮路勝撮影
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐる法廷闘争は、沖縄県の敗訴という結果で終わった。再び埋め立て工事は動き出すが、20年にわたり曲折し続ける移設問題の解決への道は遠いままだ。
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辺野古訴訟で沖縄県の敗訴確定 最高裁が判決
「たたみ掛けるように三つが出てきた。こういう形で年末を迎えるのは残念」
埋め立て承認の取り消しが「違法」とされ、県敗訴が確定した20日の最高裁判決を受けた会見で、翁長雄志知事は県の置かれた状況についてこう表現した。
前日には、事故を起こした米軍輸送機オスプレイが県の反対を押して飛行を再開。22日には知事が「いびつな返還」と批判する米軍北部訓練場の部分返還がある。
普天間飛行場の辺野古移設阻止をめぐって、県にとって大きなカードだった埋め立て承認の取り消しは不発に終わった。会見では県の手詰まり感への指摘もあったが、翁長知事は「不退転の決意」という姿勢を改めて強調。「最高裁判決は出たが、これからが県民の踏ん張りどころと思っている」と淡々と述べた。
一方、普天間飛行場の移設先とされる名護市の稲嶺進市長は判決について記者団に対し「県民には受け入れられない」と話した。(奥村智司、岩田智博)