立ち入りが許可され、焼け跡を歩く住民ら=24日午前、新潟県糸魚川市、長島一浩撮影
新潟県糸魚川市の大規模火災で、同市は24日午後4時、363世帯744人に出していた避難勧告を全面解除した。住民は自宅に戻ることができるようになり、復旧作業が本格化する。同日正午からは道路のがれきを撤去する作業も始まった。
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22日午前10時半ごろ発生した火災では、約150棟が焼けた。焼失面積は約4万平方メートルに及ぶ。市によると、24日午後2時半現在で32人が避難所に避難しているが、親戚や知人宅に身を寄せている人も多い。
市災害対策本部によると、23日午後に鎮火し、24日までに県警などの実況見分も終了。がれき撤去やライフライン復旧作業ができる状況が整ったため、避難勧告を解除したという。
避難勧告が解除される前の24日午前9時から3時間、勧告区域の一部への立ち入りが許可された。高校2年の男子生徒(17)は全焼した自宅をぼうぜんと見つめた。当時は高校にいたといい、「今は何も考えられない。今年亡くなった祖父の写真だけでも持ち出したかった」。木島善生さん(43)の実家は何も残っておらず、「しょうがない」と肩を落とした。
避難勧告の解除後、自宅や店を見に行く人もいた。本町の自宅が焼けた会社役員の男性(60)は「規制線が残っているところもあり、自由に行き来できるにはまだ時間がかかる。片付けをしないといけないし、先は長い」と話した。