国連総会(193カ国)は23日の本会議で、核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について来年3月からの交渉開始を決める決議を113カ国の賛成多数で採択した。核兵器の法的な禁止をめぐる本格的な議論が初めて国連の枠組みで行われることが正式に決まった。核保有国の米ロ英仏などに加え、唯一の戦争被爆国日本も反対した。
決議は核兵器を禁止する法的措置を交渉する国連会議を2017年3月と6~7月に開催するように求める内容。核兵器の「非人道性」を訴える非保有国のメキシコやオーストリアなどが推進してきた。
今回の決議の背景には、核軍縮が停滞しているとの非保有国側の不満がある。1970年発効の核不拡散条約(NPT)は、米ロ英仏中の5カ国にだけ核兵器を持つことを認めたが、その後、インドやパキスタン、北朝鮮、イスラエルという「事実上の核保有国」が新たに生まれた。米ロなどは核弾頭の削減などを例に挙げて核軍縮の成果を強調するが、非保有国は十分とみておらず「保有国は義務を果たしていない」との不満が募っている。
日本は「決議が米国の核抑止力(核の傘)に依存する安全保障政策と相いれない」「核保有国と非核保有国の間の対立をいっそう助長し、亀裂を深める」との立場から反対してきた。
国連総会では、今回の禁止条約…