消火用水を運んだミキサー車の動き
新潟県糸魚川市の大規模火災で、燃え広がる炎を消し止める消火用の水を、コンクリートミキサー車が運んでいた。機転をきかせたのは、現場にいた地元の生コン会社の社長だ。
特集:糸魚川大火
ミキサー車を向かわせたのは、糸魚川市のコンクリート会社「協栄産業」社長の木島吉朗さん(67)。出火した22日昼ごろ、出火元に近い「本町通り商店街」の自宅兼日用雑貨店にいると警察に避難を促された。
消火活動を遠巻きに見ていた木島さんの耳に、消防団員の声が響いた。
「水が足らん!」
火の手はみるみる自宅へ延びていく。工場長の田原克朗さん(64)に電話をかけて指示した。「あるものは全部持ってこい!」
田原さんは従業員10人をそれぞれミキサー車に乗せて、水を入れて運ばせた。地元の生コン組合加盟の同業者にも応援を求めた。
会社の洗車用ポンプだけでは給水が滞ると思い、同じくポンプを持つ、取引先の砂利会社や建築会社にも協力を頼んだ。みんな快く応じてくれた。砂利会社の業務課長、斎藤浩一さん(48)は「小さい街ですからね。協力しなきゃ」。
協栄産業のミキサー車が1台で…