新年の取引開始の「大発会」で、晴れ着姿で並ぶ証券会社などの関係者=4日午前、東京都中央区の東京証券取引所、恵原弘太郎撮影
東京株式市場は4日、今年最初の取引を迎え、東京証券取引所で「大発会」があった。日経平均株価は一時、前年末の終値より400円超値上がりし、景気回復への期待が広がった。
大発会には、麻生太郎財務・金融相ら約450人が参加。日本取引所グループの清田瞭(あきら)・最高経営責任者は「『申酉(さるとり)騒ぐ』という相場格言通りなら今年も騒ぐことになる。いい意味で騒がしい1年になってほしい」とあいさつした。
株式市場は3日の米国市場で株価が上昇した流れを引き継いだ。外国為替市場でも円安ドル高が進み、業績が上向く輸出関連株を中心に買い注文が先行した。日経平均の午前の終値は前年末の終値より415円31銭(2・17%)高い1万9529円68銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同33・93ポイント(2・23%)高い1552・54。東京外国為替市場の対ドルの円相場は午前11時時点で前年12月30日午後5時より1円02銭円安ドル高の1ドル=118円12~13銭。対ユーロは、同26銭円高ユーロ安の1ユーロ=122円78~79銭。
市場の注目は、今月20日に米大統領に就任するトランプ氏の動向だ。昨年は、トランプ氏の当選後、経済政策への期待感で急激に円安・株高が進んだ。そのため、「実際の政策が出てきて、失望が強まる展開になれば、株価は乱高下する」(大手証券)との見方も多い。英国の欧州連合(EU)からの離脱の影響や、春の仏大統領選の行方など、海外情勢によっては波乱の1年になりそうだ。(神山純一、土居新平)
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名古屋証券取引所でも大発会があり、約180人が万歳三唱やご当地手締めの「名古屋ナモ締め」で活況を願った。名証の竹田正樹社長は「前回の酉(とり)年、2005年は、中部空港の開港や万博の開催で好景気だった。これにならって、証券界が盛り上がる1年を期待したい」とあいさつした。
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日本取引所グループの傘下で先物など金融派生商品を扱う大阪取引所でも4日、大発会があり、晴れ着姿の証券関係者ら約250人が参加した。
今年は、前身の大阪証券取引所が1987年に日本初の株式先物の取引を始めて、30年の節目に当たる。大阪取引所の山道裕己社長は「先人の姿勢を受け継ぎ、新たな取り組みを続けることが、証券市場の未来につながる」とあいさつ。「うーちまひょ」の掛け声で始まる「大株締(だいかぶじ)め」で拍子木を打って祝った。(笠井哲也)