袋詰めされた「塩ゼロ讃岐うどん」。ゆで時間の調整が難しいため、温めるだけで食べられる冷凍うどんとして商品化された
讃岐うどんの特徴であるコシ。そのコシを出すのに欠かせないとされる塩分をゼロに近づけたうどんが、本場・香川に登場した。発案したのは、うどん好きの元鉄道マン。健康志向が高まる中、うどんを「悪者」にしたくないという思いに、突き動かされてきた。
「塩ゼロ讃岐うどん」を発案したのは、関優一さん(67)。JR高松駅長などを経て、2004年にJR四国の子会社で駅弁の製造・販売を手がけていた高松駅弁の社長に就任した。
そのころ香川県では、糖尿病など生活習慣病患者の割合の高さが話題だった。原因の一つとされたのが、うどん中心で野菜が少ない食生活。厚生労働省の調査によると、08年に糖尿病の診療を受けた人の割合は香川県が都道府県別で最高。最近でも14年は全国2位だ。14年に心疾患で診療を受けた人の割合は全国7位、高血圧性疾患は14位。塩分も問題視された。
厚労省の基準で塩分摂取の目標とされるのは、成人男性で1日8グラム未満、女性で7グラム未満。関さんの調べでは、一般的な讃岐うどんはゆでると多少塩分が抜けるが、麺200グラム(1玉分)に1・5グラムほどの食塩が残る。関さんは、麺を打つ際に、一切食塩を加えないうどんの開発を考えた。
三木英三・香川大名誉教授(食…