関東経済産業局(さいたま市)の物品廃棄業務を、自ら設立した会社が請け負ったように装って公金をだまし取ったとして、埼玉県警は12日、同局の元会計課調査官、難波信之容疑者(44)=千葉県柏市、懲戒免職=を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。「間違いありません」と容疑を認めているという。
発表によると、難波容疑者は2014年、処分が済んでいる研究機器について廃棄の必要があるように偽装し、自ら設立したペーパーカンパニー「下総商事」が廃棄業務を請け負ったとする架空の書類を作成。同年11月、請負代金として約95万円を同局から支払わせ、だまし取った疑いがある。難波容疑者は国有物品の廃棄業者の選定などを担当していた。金は外国為替証拠金取引(FX)や海外旅行費用などに使っていたという。
捜査2課などによると、下総商事は11年10月の設立直後から15年4月までに、同局から計20件の業務を請け負ったとして約1千万円を受け取った。県警はこれらの受注についても不正がなかったか調べている。