国連事務総長の任期を終えて退任し、韓国に帰国した潘基文氏(左)。仁川空港で出迎えた市民らにおじぎをした=12日午後5時37分、東岡徹撮影 昨年末に国連事務総長の任期を終えて退任した潘基文(パンギムン)氏(72)が12日、韓国に帰国した。仁川空港で記者会見し、「謙虚な気持ちで私心のない決定をする。その決定には長くかからない」と述べ、近く次期大統領選への立候補を表明する考えを示唆した。支持率でトップを争う潘氏の帰国で、今後は大統領選に向けた動きが本格化する。 潘氏の政治姿勢をめぐっては、慰安婦問題の日韓合意についてどんな考えを示すかが焦点になっていた。大統領選に立候補が有力視される他の人物はいずれも日本との再交渉が必要だといった見解を示している。ただ、安倍政権が応じる可能性がないことから、韓国のメディアや専門家からは世論に迎合せず、冷静な対応を求める論調も出ている。 潘氏は空港での会見で、朴槿恵(パククネ)大統領と昨年1月に電話で協議した際に日韓合意を評価したことについて「誤解があるようだ」と釈明した。「国連事務総長として私はいつも交渉を通じた合意を激励してきた」とし、「韓日間で長い間、懸案になったこの問題について合意されたことを歓迎した」と説明。「究極的に完璧な合意は慰安婦被害者の恨みを晴らすことができる水準でなければならないと思う」と述べた。 潘氏は慰安婦問題の日韓合意について一部の元慰安婦が激しく反対していることから、合意の内容が不十分との見方を示したとみられる。 釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦を象徴する「少女像」については「日本政府からいろいろな異議があることを知っている」と語った。そのうえで「このような問題は近視眼的に見るのではなく、過去を直視した上で、未来志向的な方向で、合意されるべきだ」と指摘。撤去の是非には踏み込まなかった。 また、事務総長が退任直後に政府の要職に就くのは慎むべきだとの国連総会決議があることについて、公式な解釈は国連が行うとしながらも、「政治的な行動を防ぐ条項ではない」と述べた。 仁川空港には報道関係者や歓迎する市民ら数百人が詰めかけた。潘氏が一般客とともに到着口に姿を現すと拍手と歓声が沸いた。会見を終えると車には乗らず、空港鉄道でソウル駅に向かった。親しみやすさを演出する狙いとみられる。 潘氏はこれまで国連事務総長だったため、韓国政治からは一定程度、距離を置かざるを得なかった。今後は積極的に発言するとみられ、政策論争が活発化するとみられる。 潘氏をめぐっては、朴槿恵(パククネ)大統領の弾劾(だんがい)訴追案に賛成して与党セヌリ党を離党した議員らが24日に結党する新党「正しい政党」で擁立をめざす動きがある。新党と野党第2党「国民の党」などの連携が進めば、政界再編につながる可能性もある。 調査機関「リアルメーター」が9~11日に実施した世論調査によると、次期大統領選に立候補が有力視される人物の支持率は、前回大統領選で朴氏に敗れた最大野党「共に民主党」の文在寅(ムンジェイン)前代表(63)が27・9%でトップ。潘氏は20・3%で続く。これに過激な言動から「韓国のトランプ」などと呼ばれる李在明(イジェミョン)・城南市長(52)らが追う展開になっている。 大統領選の時期は、朴氏の弾劾訴追を受けて憲法裁判所がいつ判断を下すかによる。憲法裁は現在、弾劾審判を行っているが、裁判官9人のうち2人が3月13日までに任期満了で辞任する。弾劾審判の途中で後任を選ぶのは難しいため、憲法裁は3月上旬にも弾劾を決める可能性がある。その場合、早ければ4月下旬にも大統領選が行われる。 大統領選では政権をどう運営するかが問われる。朴大統領は不透明な政権運営に加え、「陰の実力者」とも呼ばれた長年の支援者のチェ・スンシル被告らが国政に深く関わっていたことで批判を浴び、弾劾訴追されたためだ。 このほか政策の争点では、若年層で高い失業率、財閥に依存した経済のあり方などが争点になる。 外交では慰安婦問題の日韓合意に関心が高まっているほか、米軍が韓国に配備する高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)も焦点だ。配備に反発する中国との関係が悪化する一方で、北朝鮮の核・ミサイルの脅威は高まっており、米韓の協力は欠かせない。配備への賛否は米国や中国との関係を図る試金石になる。(仁川=東岡徹) |
潘基文氏、韓国に帰国 近く大統領選出馬を表明か
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