昨年11月に茨城県で降った雪の結晶(気象庁気象研究所提供)
雪の写真を市民から集め、降雪予測に活用――。気象庁気象研究所(茨城県つくば市)が関東地方を対象に、こんな試みを始めた。一般市民がスマートフォンなどで撮影した雪の結晶の写真を募り、それを分析することで、予測の精度を高めたいという。
同研究所によると、関東では本州南側の低気圧が雪を降らせることが多いが、進路や発達状況など条件の変化があるため正確な予想は難しい。同研究所の荒木健太郎研究官は、どのような状態の雲が雪をもたらしたかを分析すれば、予測の精度向上につながると考えた。雪の結晶からは、雲の水蒸気量や温度などの特性がわかるため、結晶の写真を市民から広く集めることにした。
昨年11月に都心で初雪が観測された際、ツイッターなどで写真の提供を初めて呼びかけると、メールやツイッターで約5千の画像が寄せられた。分析した結果、時間や地域によって結晶の形状が異なり、雲の性質も違ったことがわかったという。こうしたデータを蓄積し、今後、予測した雲の性質に照らし合わせて降雪予測をしたい考えだ。
雪は、黒や青の布などに載せて接写する。撮影方法などは同研究所のホームページ(
http://www.mri-jma.go.jp/Dep/fo/fo3/araki/snowcrystals.html
)で公開している。荒木さんは「一般の人に参加してもらい、天気予報に興味を持ってほしい」と話す。(小川崇)