カザフスタンの首都アスタナで23日、和平協議を前に言葉を交わす、国連のデミストゥラ・シリア担当特使(右)とシリアのジャファリ国連大使(左)=AFP時事
シリア内戦をめぐり、ロシアとトルコが主導する新たな和平協議が23日午後、中央アジア・カザフスタンの首都アスタナで始まった。ロシアが後ろ盾となるアサド政権と、トルコが支援する反体制派の武装組織が参加した。両国は昨年末に政権と反体制派の停戦合意を実現させ、それに続く今回の和平協議の実施で、シリアの和平プロセスを自国に有利に進める狙いだ。
シリア内戦の和平協議では、スイス・ジュネーブを拠点とする国連主導の協議が、アサド政権と反体制派の対立で行き詰まっていた。今回、ロシアとトルコの呼びかけで政権と反体制派武装組織が同じテーブルについた。ロシアの代表団長は「象徴的であり、大きな意味がある一歩だ」と述べた。ただ23日の時点では、直接対話は実現していないとみられる。国連も今回の協議を踏まえ、2月上旬に和平協議を再開させる見通しだ。
アスタナでの協議は、24日に合意文書を発表して終了する予定。ロシアとトルコは昨年末に実現させた停戦合意の維持について、政権と反体制派の双方に改めて合意させ、定着を図る考えだ。両国は外相らを参加させず、実務レベルの官僚派遣にとどめた。「イスラム国」(IS)などの過激派組織は停戦から除外されている。
アサド政権側はジャファリ国連…