別居している夫婦が長女(9)の親権と離婚をめぐって争っている訴訟で、東京高裁(菊池洋一裁判長)は26日、「母親が長女と面会する機会を年100日確保する」と提案した父親に親権を認めた一審・千葉家裁松戸支部の判決を変更し、母親に親権を認めた。
親権、別居の夫に 妻と子の面会「年100日」約束 千葉家裁支部
一審判決によると、母親は2010年に長女を連れて実家に帰り、父親と別居。父親は数回は長女と面会できたが、その後に夫婦間の対立が深まって母親が面会を拒んだ。同支部は12年に審判で、保護者として長女を育てる「監護者」に母親を指定した。
裁判では、定期的に子どもに合わせる「面会交流」の条件が争点に。父親は「年100日」と提案し、母親は「月1回程度」と主張した。一審判決は「長女が両親の愛情を受けて健全に成長するには、父親を親権者と指定するのが相当だ」と判断し、長女を父親に引き渡すよう母親に命じていた。
離婚する夫婦の親権をめぐっては、子どもを主に養育していた母親が、離婚後も親権者になる方が保護者として継続性があると判断するケースが多い。しかし一審判決は、対立する母親に友好的で寛容な面会交流の案を示したことを理由に、同居していない父親の方に親権を認めたことで注目された。