トランプ米大統領が就任して27日で1週間が経ち、新政権の政治手法が浮き彫りになってきた。相変わらずツイッターで個人や企業の狙い撃ちを続け、ついにはメキシコ大統領を狙う「外交手段」に発展させた。自分に批判的なメディアは「偽ニュース」「黙れ」と徹底的にたたき、認めたくない情報には、都合が良いように虚言や誇張を振りまく。「自分第一」の独善ぶりが際だっている。
特集:トランプ大統領
■つぶやきから首脳会談中止に
今、トランプ氏が朝につぶやくツイッターで、米国、いや世界が動き出すのが常になってきている。
20日の就任後、個人アカウントで約40回ツイート。自身への抗議活動や批判的なメディアを攻撃し続ける。さらに、隣国の首脳も狙い撃ちにし、首脳会談まで中止に追い込まれた。
26日午前9時前。「メキシコが壁の費用を払いたくなければ、今度の会談を取りやめた方がいい」
メキシコの国境に建設することを決めた壁の建設費用と首脳会談を取引(ディール)の材料にして、メキシコのペニャニエト大統領に迫った。
31日に予定された首脳会談を控え、メキシコのビデガライ外相がトランプ政権高官と事前の話し合いのため、ワシントンに滞在中だった。トランプ氏の「外交儀礼」を無視したツイートに加え、ホワイトハウスの報道官が、壁の建設費用を捻出するため、メキシコなどからの輸入品に20%の税金をかける案を検討していると発言。メキシコ側は完全にメンツをつぶされた。
これに対し、ペニャニエト氏は反発。26日に自身のスペイン語のツイッターで「米ホワイトハウスに今朝、会談には行かないと伝えた」と発信。外相の協議もキャンセルされた。
トランプ氏は就任前も、メキシ…