東京都の築地市場の水産仲卸約550業者でつくる東京魚市場卸協同組合で31日、理事長選挙があり、豊洲市場への移転に慎重な立場の早山豊氏が選出されて就任した。移転を進めてきた現職の伊藤淳一氏が敗れたことから、移転問題に影響を与える可能性もある。
組合の理事29人の投票で「仲卸の意見を聞き、束ねる」と訴えた早山氏が22票を集めた。任期は2年。就任後、早山氏は「方向性をみんなで話し合っていきたい」と話した。早山氏に投票したという60代の理事は「仲卸に移転の賛否を問う調査をして、組合の方針に反映してほしい」と期待する。新執行部は2月6日の理事会で決まる見通しだ。
都議会では31日、豊洲市場への移転問題を検討する特別委員会があり、地下水検査について審議した。共産と都議会民進(旧民主)は、採水や分析に関わった大手ゼネコンなどの参考人招致を要求した。終了後、民進は2月の都議会で、より調査権限が強い調査特別委員会(百条委員会)の設置や石原慎太郎元知事らの参考人招致を求める考えを明らかにした。(西本ゆか、伊藤あずさ)