会見する国連のグテーレス事務総長=1日、米ニューヨークの国連本部、タマラ・エルワイリー撮影
国連のグテーレス事務総長が1日、米ニューヨークの国連本部で会見し、米国のトランプ大統領による中東・アフリカの7カ国からの入国の一時禁止措置などについて、「すぐにでも撤回されるべきだ」と述べた。これまで名指しを避けて批判してきたが、米国発の混乱が世界に広がる中、初めて米国の政策に直接言及した。
グテーレス氏は会見で、大統領令について質問を受け、「米国を守る最善の手段ではない」と批判し、措置の解除を求めた。また、国際社会が向き合っているのは「とてもうまく振る舞うグローバルなテロ組織」と指摘。例えば米国などを攻撃する場合、紛争地域からではなく「信用されやすい世界で最も発展した国」から入国するか、既に米国にいる者を実行犯として使うだろうと語り、特定7カ国をターゲットにした禁止策などに疑問を示した。
一方、グテーレス氏は、米国が難民の再定住政策の「いつも最前線に立ってきた」と評価し、米国の難民政策の再確立を強く期待しているとも強調した。
グテーレス氏は2005~15…