鈴木玲奈容疑者(右)と大島祐太容疑者=フェイスブックから
大阪市で車のトランクから鈴木琉聖(りゅうせい)ちゃん(当時1)の遺体が見つかった事件で、大阪府警は13日、琉聖ちゃんを車内に約10時間半放置して熱中症で死なせたとして、母親の鈴木玲奈(れな、25)と内縁の夫の大島祐太(22)の両容疑者=死体遺棄罪などで起訴=を保護責任者遺棄致死の疑いで再逮捕したと明らかにした。
両容疑者は琉聖ちゃんと一緒に、長女(4)も車内に放置したとして、保護責任者遺棄容疑でも逮捕された。玲奈容疑者は「全てその通りです」、大島容疑者は「放置は間違いないが、大丈夫と考えていた」と供述しているという。
捜査1課によると、両容疑者は昨年4月23日午前1時45分~午後0時10分ごろ、大阪市平野区に止めた車内に琉聖ちゃんと長女を放置し、琉聖ちゃんを熱中症で死亡させた疑いがある。両容疑者はその間近くのホテルに宿泊。車に戻ると琉聖ちゃんはぐったりし、長女も大量の汗をかいていたと説明したという。遺体はクーラーボックスに入れて、車のトランクに隠し続けられ、昨年11月、同市住吉区の駐車場で発見された。
車は直射日光が当たる屋外駐車場にあった。当日の最高気温は24・5度で、環境熱学の専門家が車内の温度は約50度に達していた可能性があると指摘。府警の再現実験でも裏付けられた。府警が依頼した解剖医は琉聖ちゃんが脱水状態だったと鑑定し、府警は死因を熱中症と判断した。
日本自動車連盟(JAF)によると、車内に閉じ込められた子どもの熱中症事故は春先や初夏にも多い。担当者は「乳幼児は体温調節機能が未発達で、短時間でも脱水症状や熱中症にかかり、死に至る恐れもある。『外は過ごしやすいから大丈夫』などと過信しないでほしい」と話している。