キャンプインしたマーリンズの田沢=AP
大リーグ9年目に入った田沢純一投手(30)が、新天地での活躍を誓った。今オフに8年在籍したレッドソックスからフリーエージェント(FA)となり、マーリンズと2年契約。14日に、フロリダ州ジュピターでキャンプインした。
移籍はプロ入り初めてだ。新しい本拠にユニホーム、背番号は背負ったことのない25番に決定。楽しみと同時に不安もあるが、「中継ぎ投手で8年間同じチームにいた方が珍しい。僕も転々とする『ザ・中継ぎ』になれた」と笑う。
昨季は4年連続50試合以上の53試合に登板も、7月に右肩の張りで故障者リスト入り。復帰後は調子が上がらず、プレーオフではメンバーから漏れるなど不本意なシーズンとなった。
FA時に、代理人へ出した唯一の希望が「自分を必要としてくれる球団に行きたい」。合致したのが、投手陣の整備を課題としたマーリンズだった。昨季までメジャー通算302試合に登板し、17勝20敗、防御率3・58だった経験を評価。リードした試合終盤を託すセットアッパーの1人として起用する方針だ。2年総額1200万ドル(約13億6800万円)の契約からも期待が伝わってくる。
マーリンズのヒル編成本部長によれば、同僚となったイチローも実力を認めているという。思いがけない話に「イチローさんは雲の上の存在。一緒のチームになれてすごく光栄です」と恐縮。入団が決まった後には、電話で「よろしくお願いします」と連絡したといい、キャンプ地で対面する日を心待ちにしている。
6月で31歳。現在、日本選手歴代5位(現役2位)のメジャー302試合登板だが、個人記録には興味がない。目指すは優勝。「けがをしないで、しっかりチームに貢献したい」と強い覚悟を口にしていた。(遠田寛生)