九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働について、玄海町の岸本英雄町長が3月6日にも同意することが分かった。町長が15日、朝日新聞の取材に認めた。九電は町に加えて県の同意を得た上で、夏ごろの再稼働を目指す。
特集:玄海原発
岸本町長はこれまで、2月中にも同意の可否を判断する意向を示していた。だが、県が県内5カ所で開く住民向けの説明会が3月3日まで続くため、終了を待って6日か7日に九電の瓜生道明社長に判断を伝えることにした。
岸本町長は「町民は安全対策について深く理解している。再稼働を望む町民の声は自分が一番よくわかっている」と話した。
町長が判断の参考にする町議会は今月24日、議員全員が加わる原子力対策特別委員会に九電を招致。新規制基準に沿った安全対策の説明を受け、その場で再稼働への賛否を判断する。議会は1人を除き賛成するとみられる。
町では住民向けの説明会が開かれていない。岸本町長は「安全対策について繰り返し町民に伝えてきたし、議会の審議状況はケーブルテレビを通じて把握されている。改めての説明会開催は、町民を混乱させかねない」としている。(原口晋也)