屋外のテラスでクロスカントリースキーを観戦する皇太子さま=20日午前、札幌市清田区の札幌市白旗山競技場、代表撮影
「ここに、札幌市、帯広市において開催される第8回アジア冬季競技大会の開会を宣言します」
皇族方の素顔
特集:皇室とっておき
2月19日、北海道の札幌ドーム(札幌市)で開かれた同大会の開会式。皇太子さまが高らかに冒頭の開会宣言をすると、拍手とファンファーレが鳴り響きました。皇太子さまは晴れやかな表情で、口元に笑みをたたえていました。同大会には、史上最大規模となる32の国と地域から2千人以上の選手や関係者らが参加。開会式で、旗や手を振って笑顔で入場した選手らを皇太子さまは拍手で迎えました。
今回の公務は、いつも以上に意味のあるものでした。なぜなら、天皇陛下の名代としての出席だったからです。当初、主催者側は天皇陛下の出席を依頼しましたが、宮内庁は寒い時期の訪問で、陛下の年齢や体への負担を考慮して判断したといいます。しかし、病気や手術など健康面に問題がないなかで名代をたてるのは異例であり、今回のお務めはある意味、皇位継承に向けての第一歩とも受け取れます。名代としてのお務めを間近で見守った東宮職は「(殿下から)陛下からお言葉を賜ったとはお聞きしていないが、ご名代として重要なお仕事で、ほかの仕事と同じ真摯(しんし)なお気持ちで取り組まれただろうと拝察する」と話していました。
陛下の名代ということもあってか、18日の羽田空港出発時の見送りには最高裁長官や警察庁長官、警視総監などそうそうたる顔ぶれがそろいました。約1時間30分のフライトを経て新千歳空港に到着した皇太子さまは、しんしんと降る雪の中、空港前に集まった人たちに手を振ってこたえました。
注目が集まる重要な公務でもあ…