吉川敏一学長
暴力団組長をめぐる虚偽診断書の作成容疑事件で、家宅捜索を受けた京都府立医科大の吉川敏一学長(69)が解任される方向となった。吉川学長は27日午前、大学幹部らで構成する教育研究評議会からの辞任勧告に対し、拒否する意向を伝達。しかし評議会は学長を選ぶ学内の学長選考会議に解任を求める発議を出す構えで、選考会議も解任を求める意見が大勢を占めており、辞任は不可避の情勢となった。
学長選考会議は6人の委員で構成し、解任は4人以上の出席で決めることができる。朝日新聞の取材では、同会議は28日にも吉川学長から弁明を聴く方針だが、過半数が解任を支持する見通しだ。
吉川学長は、大学付属病院で腎移植手術を受けた暴力団組長の高山義友希受刑者(60)との交際が問題視されている。手術を執刀した病院長と担当医は「刑務所への収容は困難」とする虚偽内容の意見書を大阪高検に提出し、同受刑者の刑の執行停止に影響を与えた疑いが持たれている。
捜査関係者によると、京都府警は、2014年に京都・先斗町のお茶屋で吉川学長と高山受刑者が会食していた情報を把握。家宅捜索後、吉川学長は大学法人の理事会で、飲食店で高山受刑者と2度にわたり会った事実を認めている。
これを受けて評議会は24日、27日正午を回答期限に自発的な辞任を求める勧告書を送っていた。