三回表台湾プロ選抜1死一塁、則本は王柏融に逆転の中越え本塁打を浴びる=諫山卓弥撮影
(28日、野球・壮行試合 日本代表5-8台湾プロ選抜)
特集:2017WBC
WBCの初戦までちょうど1週間で、日本の屋台骨が揺らいだ。先発2本柱の一角、則本が3回3失点。中継ぎエースの牧田も2回4失点だ。守り勝つ野球の日本が、17安打を浴びた。
則本は菅野と並ぶエース格。本番では救援との「二刀流」が想定される。ここまでの調整は順調そのもので、「しっかり腕を振って投げられた」とも言う。
最速152キロで、直球は常時140キロ台後半。それでも甘く入ると打ち返された。一回に計4安打で先制点を許すと、三回には昨年の台湾リーグで打率4割台を残した3番・王柏融に2ランを食らった。真ん中へのスライダー。この痛打は、二つの教訓を残した。
則本クラスでも、国際大会では甘い球は命取り。それが一点。加えて「日本とは考え方が違うというか、改めて今まで通りではいけないと思った」。つまり、日本での配球と同じでは打たれることを思い知った。「自分の糧にして本番に備えたい」と口にした。
2番手の牧田は、逆に「コースを狙いすぎて腕が振れなかった」。投手陣で唯一の2大会連続出場。国際大会に強く、ブルペンでは滑りやすいとされるWBC球を苦にせず操れていたが、打者11人に3長打を含む6安打を許した。則本が打たれたことで、慎重になりすぎてしまった。
2人が軸であることに変わりはなく、これを本番でどう生かすかだ。ただし、残された時間は少ない。(伊藤雅哉)