グテーレス国連事務総長
国連のグテーレス事務総長は8日の国際女性デーに際し、朝日新聞など各国の主要メディアに寄稿した。「女性の権利を守り、彼女たちの可能性を最大限に発揮させる唯一の方法は、女性と少女たちをエンパワーし(力づけ)、力を与えることだ」と訴えている。
国際女性デーに寄せて 国連事務総長の寄稿全文
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グテーレス事務総長は「時代錯誤の考えと凝り固まった男性優位主義」によって、指導的地位はいまだに男性によって占められ、経済的なジェンダーギャップ(男女格差)が広がっていると指摘。「これを変えるために、女性の声に耳を傾け、女性たちが自分自身の人生と世界の未来をコントロールできるように力を与える必要がある」とした。
また、雇用面で性差がなくなれば、「2025年までに世界のGDPが12兆円増え、女性が学校で学ぶ期間が1年長くなれば、彼女の将来の収入は25%増えるかもしれない」とも指摘。「公的機関で女性の割合が増えれば、改革が促され、政策決定は改良され、社会全体が恩恵を受けるだろう」と記した。
グテーレス事務総長は、国連の平和と安全保障に関する活動でも、「女性の交渉者は持続可能な平和の機会を広げ、女性の平和維持活動は性的搾取と虐待の危険を減らすだろう」として、女性の参加を増やすことも約束した。
さらに国際女性デーのこの日、「男女平等と女性のエンパワーメントを促進するために、できることをすべてすると、共に誓おう」と締めくくった。(杉山麻里子、山本奈朱香)