営利目的で特別養子縁組をあっせんしたとして、千葉県警は8日、民間団体「赤ちゃんの未来を救う会」(同県四街道市、昨年9月に解散)の元理事ら男2人を児童福祉法違反の疑いで逮捕し、発表した。2人は養親の希望者から225万円を受け取ったが、県警は大半が遊興費などに使われたとみて調べている。
逮捕されたのは、元理事の上谷清志(35)=那覇市安謝1丁目=、元代表理事の伊勢田裕(32)=札幌市手稲区=の両容疑者。上谷容疑者は「収入を増やせると思った」と容疑を認め、伊勢田容疑者は「必要な実費としてお金を徴収した」と否認しているという。営利目的で養子縁組をあっせんしたとする容疑での摘発は全国初。
発表などによると、両容疑者は昨年4~5月、特別養子縁組をあっせんする実費名目で、東京都の50代の夫、40代の妻から225万円を受け取った。4月30日には夫と、出産予定だった神奈川県の20代女性にメールで連絡し、養子縁組をあっせんしたが、救う会から女性に出産費用などは支払われず、225万円の大半は遊興や生活費に使われていたという。
夫婦は昨年6月に乳児を引き取ったが、女性は「(救う会から)合意の確認がなかった」と主張。乳児は女性に戻された。