日本戦の七回に本塁打を放ったキューバのデスパイネ=諫山卓弥撮影
(10日、WBC1次リーグB組 中国1―7日本)
2017WBC特集
日本の先取点がポイントだった。中国戦の一回1死三塁。浅い右飛で三塁走者の田中は迷いなくスタートし生還した。今大会初出場の27歳の二盗に相手の悪送球が絡んで転がり込んだ好機を、確実にものにした。
日本が見据えるのは、難敵がそろう2次リーグの戦いだ。A組首位のイスラエルと2位オランダ、B組2位のキューバが相手。イスラエルは勢いがあり、オランダには日本を知り尽くすバレンティン(ヤ)とバンデンハーク(ソ)がいる。
接戦を勝ちきるカギは機動力。今大会の初戦、キューバ戦でも、1点リードの五回に中田が二盗。普段は走らない選手が「行けたら、行け」という場面で仕掛け、追加点につなげた。
WBCの盗塁と言えば、2013年第3回大会の2次ラウンド・台湾戦を思い出す人も多いだろう。1点を追う九回2死から鳥谷(神)が二盗。ここから追いつき最後は勝ち越した。実は過去3大会とも盗塁が最も多かったのは日本。「盗塁王」の実力に期待したい。(松沢憲司)