福井工大福井―健大高崎 九回表福井工大福井無死一塁、山岸は左中間に適時二塁打を放つ。捕手大柿=加藤諒撮影
(26日、選抜高校野球 福井工大福井7―7健大高崎 延長再試合)
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午後6時24分。福井工大福井の三塁手川村がファウルフライを捕り、試合が終わった。お互いの持ち味を出し合った対決は、決着がつかなかった。
福井工大福井は打撃で流れを引き寄せた。4点を追う五回、2死から満塁を作り、5番の島谷が右越えに3点三塁打。2点を追う六回も2死満塁から3番の井上開が中堅前方への走者一掃の二塁打で、試合をひっくり返した。井上開は言う。「うちが自信があるのは打撃。後半勝負でひっくり返せる」
健大高崎の武器は機動力だ。1点を追う九回2死二、三塁。二塁走者の安里がするするっとリードを広げた。牽制(けんせい)球。その瞬間、三塁走者の小野寺が本塁へ突っ込み、生還した。珍しい二、三塁での重盗は、葛原コーチが「もう数年は使えない」という、とっておきのサインプレーだった。
「勇気をもった走塁をしないと勝てない」と小野寺。追い詰められた場面で、自分たちが貫いてきた野球スタイルを信じた。
その後、雨にぬれたスコアボードには「0」が並び続けた。試合後、健大高崎の青柳監督はしみじみと言った。「まさか2試合連続で再試合になるとは……。でも、選手たちはよく頑張った」(小俣勇貴)