福井県の西川一誠知事は27日、県庁で記者会見し、関西電力大飯原発3、4号機(同県おおい町)の再稼働に同意を表明した。同日午後、電話で世耕弘成経済産業相に伝えた。おおい町議会と町長、県議会はすでに同意しており、「地元同意」の手続きは終わった。関電は来年1月に3号機、同3月に4号機をそれぞれ再稼働させる計画だ。
西川知事は「おおい町の考え、県議会の意見、国や事業者(関電)の使用済み燃料の中間貯蔵施設の県外立地に向けた対応などを総合的に勘案し、再稼働に同意する」と述べた。
知事が強く求めた中間貯蔵施設の県外立地については、関電の岩根茂樹社長が来年中に計画地を示すとし、世耕経産相も国の関与を約束した。
大飯原発をめぐっては、10月に政府の原子力防災会議が、重大事故時の広域避難計画を了承。避難対象となる30キロ圏の人口は福井、京都、滋賀の3府県で計約15万9千人に上るが、府県域をまたぐ避難訓練の実施時期は決まっていない。
福井地裁は2014年5月、地震に対する想定が楽観的などとして、3、4号機の運転差し止めを命じる判決を出し、控訴審で係争中だが、関電は2基の再稼働の準備を進めている。