試合に敗れ、東海大福岡の大久保主将⑬と健闘をたたえ合う早稲田実の清宮主将(左から2人目)=筋野健太撮影
(27日、選抜高校野球 東海大福岡11―8早稲田実)
遊撃手が飛球をつかむと早稲田実の清宮は苦笑した。九回、先頭で凡退。チームはこの後3点差まで詰め寄ったが遅かった。清宮は「悔しい。もうちょっと長くやれると思っていた」とかすれた声で言った。
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東海大福岡の右横手投げの安田にほんろうされた。「捉えたと思ってもボールがバットの上にあった。球速以上に速く感じた。ふがいなかった」。浮き上がるような直球と外角へ沈む変化球にタイミングが合わなかった。高校通算79本塁打の強打者は今大会、9打数3安打0打点に終わった。
チームとしても主導権をつかめなかった。六回がポイントだった。1死から清宮の3打席目は高々と右中間に上がる飛球。アウトかと思ったが、右翼手が目測を誤り、ぽとりと落ちて三塁打になった。これまでチームは相手がミスした場面でしたたかに得点してきた。しかも、「風が味方したり、ここで出て欲しいというところで二塁打だったり、もっている」と野村がいう主将が出塁。しかし、野村が三ゴロ、小西が二ゴロに倒れ、無得点。直後、5点を失った。
打線で勝ってきたチームは夏に向けて課題が浮き彫りになった。4投手がことごとく失点し、計11点とられた。「ディフェンスの整備をしなければ。夏はどのチームも打撃が良くなるので今のままでは勝負にならない」と和泉監督。清宮は「この負けは無駄にできない。最後のチャンスにかけてしっかりと戻ってきたい」と、試合後すぐに気持ちを夏に向けていた。(坂名信行)